基本的な生活習慣

 子供は生活習慣を日々の日常生活の体験を通して自然に身につけていきます。
 それは2才頃になると、できないにもかかわらず、何でも「一人でしたい」という気持ちが育ってくることと、2才頃は「まねっこ」が最盛期で、ことばも行動も何でも身近な人の模倣で学習をする時期になるからです。
 例えば、子供が一人で靴がうまくはけない時、みかねて大人が手助けしようとすると「一人でしたい」気持ちが無視されたと思い、怒って泣き出し、なかなか泣き止まないでご機嫌を直すのに一苦労します。
 このように2才をすぎると「一人でする」という意志が出てきて、相当根気よく集中してやりとげようとします。本人ができないと思った場合は「やって!」とか、手助けしてほしい気持ちを表現します。その時に手助けをすると子供はスムーズに生活習慣を身につけていきます。
 また、「まねっこ」は大切な学習方法で周囲の人の言葉を模倣して言語を身につけていくように、生活習慣も周囲の人の動作を模倣して覚えていきます。
 たとえば、コップやおはしの配膳を頼むと、いつの間に覚えたのか子供は親と同じ並べ方をして、周囲の大人は驚かされます。
 このように生活習慣は「一人でしたい」気持ちと、「まねっこ」により自然と身についていくものです。
 ところが発達に問題を持つ子供は、生活習慣も発達が遅れて月齢が達していてもおむつがとれなかったり、着脱がスムーズにできなかったり、スプーンが上手に使えなかったりします。
 磐城学園では、課題学習や体操やリズム遊びなどの指導を通して「やってみたい」気持ちを育て、あわせて模倣力の発達をはかることにより、子供が無理なく良い生活習慣を身につけられるように指導をしています。
 生活習慣上の悩みは、子供が精神面と運動機能面がレベルアップすると、自然に解決していきます。
 磐城学園における生活習慣上の訓練としては、衣服の着脱、排泄、食事などについて取り組んでいます。 


〈一人でボタンできるもん!〉

〈まねっこ:僕も歯みがきするぞ!〉


身辺動作の生活習慣

【1、衣服の着脱】
テーマ 指導の内容
上着 かぶりの洋服の着脱、前開きの洋服の着脱、前後や裏表の理解
パンツ・ズボン パンツやズボンの着脱、前後や裏表の理解
ボタン 大小のボタンのはめはずし
ファスナー ファスナー止めのはめはずし
衣服をたたむ いろいろな衣服をたたむ
くつした くつしたをぬぐ、はく
靴をぬぐ、はく
靴の片付け ぬいだ靴はくつ箱に片付ける

【2、食事】
テーマ 指導の内容
偏食指導 嫌いな食べ物を食べられるようにして、バランスよく食べ物が食べられるように指導する
食事のマナー ・着席して食事をする  ・手づかみをしない  ・こぼさない  ・拾い食いをしない
・他人の食べ物に手を出さない  ・手や口のまわりを清拭する
・「いただきます」や「ごちそうさま」を言う  ・よくかんで食べる
・正しくスプーンやフォークやおはしを使う
準備と片付け 自分で弁当箱、スプーン、フォーク、おはしを出す。
弁当箱を袋に入れたり、ハンカチでつつむ。

【3、排泄】
テーマ 指導の内容
オムツ オムツは使用しない
オマル・トレーニング (1)排泄のタイミングをみはからってオマルに座らせ、排泄を促す
(2)尿意をもよおしたら自分でオマルに座る
トイレ・トレーニング (1)オマル・トレーニングが完了したらトイレ・トレーニングをする
(2)排泄のタイミングをみはからってトイレにつれていき排泄を促す
(3)排泄ができるようになると、定時での排泄を指導する
(4)尿意をもよおしたら自分でトイレに行く
公衆トイレ 公衆トイレが使用できるように、園外活動時に指導する
お尻の清拭 トイレットペーパーの使い方を教え、お尻の拭き方を指導する

〈オマル・トレーニング中〉


生活リズム
 子供は成長するにつれて自己主張をするようになり生活リズムが乱れがちになります。
 遊びをやめさせると大泣きしてぐずり、しつけをしようとしても「イヤ」と言って反抗します。この傾向は年齢が上になるほど強くなり、大人のしつけができなくなっていきます。
 さらにテレビや遊びが面白くなってお昼寝の時間や睡眠時間のリズムが乱れたりしがちです。食事についても好きなものを食べて、偏食したり、間食は時間かまわずいつでも食べたりするようになります。
 子供の自己主張の強さに親がイライラしてしまうことがあります。
 しかし、子供の身体のコンディションをいつも良好な状態にしておくためには一日の生活リズムを整え、快食、快眠、快便のできる生活ができるようにすることが大切です。
 磐城学園ではこうしたことをふまえて、入園と同時に保育日課を通して生活習慣の乱れを整えていきます
 生活リズムが整うにつれ、入園前より風邪をひきにくくなったり、発熱しなくなったりします。また何でも食べられるようになり、便秘が解消したり、健康になります。

〈「まだテレビ見たいんだ」:
   生活リズムは乱れがち・・・〉


お手伝い
 良い生活習慣を身につけるうえでお手伝いはとても大切な行動です。
 子供は自己主張しながら成長するのですから、常に親とぶつかりあって当たり前なのです。ぶつかり合うことが子供と向き合うことでもあります。
 子供は自分のしたい遊びや食事の準備はしますが、終わったものを片付けることをしません。嫌な片付けなどは大人のしつけによって習慣化するものです。しかし、あえてしつけをしなくてもお手伝いをした後、しっかりほめることによって習慣化します。子供はお手伝いをしてほめられることが嬉しいのです。
 お手伝いをとおして配膳の仕方、食器の片付け方、料理の仕方、洗濯物のたたみ方や収納方法、おそうじの仕方など、家事全般について学びます。
 このように、お手伝いは生きた認知学習の場でもあります。そのため、家庭では子供に積極的にお手伝いをさせるように親に指導しています。
 磐城学園では一日の日課をこなす中で準備と片付けをこどもにお手伝いしてもらいます。勉強の時は学習の道具、食事の時は食器類、体操の時は巧技台、音楽の時は楽器類の準備と片付けをお手伝いしてもらいます。

〈コップ並べのお手伝い:いくつかな〜?〉

〈お片付けしたら、ほめてもらえるかな〜?〉

〈「お手伝いありがとう」
      「やったあ、テヘヘヘヘ」〉

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